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【読書】『強運の持ち主』瀬尾まい子 ※ネタバレ注意

古本市場で280円で買いました。250ページぐらいの文庫本なので人気がある値段でしょうか。私には何冊目かの瀬尾まいこさんです。この本も面白かったです。まだ感想を書いていない本になりますが、笑えた度合でいうと『戸村飯店 青春100連発』の次に笑えました。

『強運の持ち主』の方は、笑い+瀬尾まいこさんらしい温かさが詰まった1冊でした。

本の構成

主人公は同じで4つの短編からできています。

  • ニベア
  • ファミリーセンター
  • おしまい予言
  • 強運の持ち主

主人公は、占い師で本名は「吉田幸子」といいますが、占い師での名前は「ルイーズ吉田」です。「ルイーズ吉田」はショッピングセンターの片隅で占い師をしていて、占い師の仕事は、悩んでいる人の背中を押すことだといい直観で占います。

適当なルイーズですが、占い師の仕事は一人でできるからいいのだと。

占い師の仕事?生活?が4つの短編で描かれ、ルイーズが変わっていきます。

「ファミリーセンター」と「強運の持ち主」の話で特に惹かれたところについて書きます。

ファミリーセンター

ルイーズの彼氏は通彦というのですが、通彦は出不精で、休みがなかなか合わない二人の休みがせっかく合ったたのに寝て過ごします。夕方になってしまい、デートがしたかったルイーズは収まりがつかず、通彦の提案でダイエーにデートに行くことに。

ルイーズは文句たらたらですが買い物をするうちに

小さなものを買うのにも、いくつか言葉を交わさないといけない。面倒だけど、実はちょっと幸せな作業だ。

と気づきます。

ここには共感しました。コロナ禍なので、なるべく少人数で買い物に出かける方がよいのですが、確かにホームセンターであれこれ買ってた時のことを思い出しました。買い物を速く終わらせるだ、できれば行きたくないとか思わずに家族で過ごすことを大切にしようかなと思いました。

強運の持ち主

強運の持ち主が誰かというのは置いておいて(出し惜しみするほどでもないのですが)、3つ目の「おしまい予言」の中で、ルイーズは竹子さんというシングルママのアシスタントを雇います。竹子さんにも好きな人ができ、ルイーズが占うとすぐにでも結婚した方が良いと。だが、竹子さんはしないと言います。

竹子さん「いいんです。私の人生は健太郎しだいだから」

ルイーズ「健太郎しだい?」

竹子さん「ええ、いくら相性が良くても、健太郎がいやなものはだめだし、いくら時期がよくても、健太郎が認めてくれないと動けないから」

健太郎は竹子さんの小さい子供なのですが、竹子さんは自分よりも健太郎を大事にするんですよね。誰かの影響で自分の人生が変わる。これもいいことなのかなと思いました。

最後に

短編で読みやすいので、ぜひ読んでみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。