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【読書】読み辛いが物語は温かい『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和 ※ネタバレあり※

最近ブックオフで80円で買った本です。レビューも何も見ずによく書店で見かけて気になっていたので買いました。※この後はネタバレ有ります※

あらすじ

ある席に座ると過去に戻れるという喫茶店の物語です。ただしそこには以下の面倒なルールがあります。

  1. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会うことができない
  2. 過去に戻ってどんな努力をしても、現実は変わらない
  3. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
  4. 過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
  5. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

このルールのもとに4つの物語が繰り広げられます。

正直な感想

悪かったところ

最初の方は、かなり読み辛かったです。物語の設定や喫茶店の雰囲気を説明するためかもしれませんが、同じような表現が何度も出てきて、書き方もリズムが良いわけでもなく、読み進めるのが大変でした。図書館で借りた本なら読むの止めてたと思います。

良かったところ

文章の読み辛さを除き、舞台設定や物語に着目すると面白い話だと思いました。特に2番目のルール「過去に戻ってどんな努力をしても、現実は変わらない」がよく効いていて、ここが面白さのポイントでした。

せっかく戻れても現実は変わらない、何のために戻るのか、戻る意味はあるのか何度も問われます。この問いに対する答えが4つの物語を通して語られます。特に4つ目の話で心が温かくなりました。

最後に

舞台を本にされているので読みにくいのも若干仕方がない気がしました。映画化もされているので、本で読むより映画で観た方がいいかもしれません。