DX戦略は、一昔前のITソリューション導入の発展版だと感じた。タイトルに「自社のコアを再定義し、デジタル化する」とあるが、コアのデジタル化にとどまらずDX導入の全体像がよくわかった。
全体を通しての感想
全体像が示されるとともに豊富な事例も掲載されていて、DXが身近に感じられるようになった。
DX、AIの言葉に漠然と何か勉強しなければと個々の技術に突っ込んでいきそうになるが、会社員エンジニアとしては、こういうDX導入の全体像を理解することも必要だと思った。
特に印象に残った2か所
役立つところはいくつもあるが、基本的な考え方として以下の2点が特に印象に残った。
ウーバナイズで考える防衛策
「自分たちの業界がウーバナイズされるとしたら?」
この問いで、ウーバーのような新しい企業によって業界のルール変更が余儀なくされるケースを考えて、現在の事業の防衛策を考える。
ルール変更が余儀なくされる要因は3つある。安いコスト、良い顧客体験、新しいビジネスモデル。ちなみにウーバーは3つとも持っている。
考える軸として非常に考えやすくなったと思う。考えてみると自分の関わる業界もウーバナイズされてもおかしくないと思い始めた。比較的大きい会社だからといって油断していては、ウーバナイズされてしまうと思う。
円密度の高いデータにAIを導入するアプローチ
円密度の高いデータとは、一言でいうと、会社の売上または利益に強い影響を及ぼすデータのことだ。
事業で取得しているデータの中で、どこにAIを導入するか考える軸として持っておく。やみくもにここにAI導入したら面白そう、簡単にできそうだからでは成功できない。AIを導入して最も効果がありそうなところにAIを投入する。その判断基準として「円密度」が大切ということを理解した。
今後に向けて
部分的ではあるが、AIプロジェクトの人選についての部分で、
日常業務に加えてAIプロジェクトのタスクをのせるのは不可能だと思った方がよいので、日常業務を調整することも大事だ。
とされていて、日常業務に携わる側としては、実際にAIプロジェクトをされていてよくわかられていると思うし、ありがたい。この考えは、AIに限らず現場担当を巻き込むPJ推進者は持って欲しい。実際にPJが始まるとついないがしろにしてしまいかねない部分なので、自分がPJ推進者側になった時には気をつけたい。
DXは組織で進めることなので、一担当としては、AI技術の理解や習得に努めて声がかかったときにできるように、声がかかるように活動したい。課題の提案もできればしたいが大きな話で、きっと上の方で考えられているのでなかなか。。
また、DX導入に役に立つ考え方のフレームワークがいくつか紹介されていたので、ぜひ使っていきたい。
最後に話はそれるが、そもそも自分がITエンジニアになったのは、パソコン(IT)やインターネットって非常に便利だと感じ、IT技術で役立ちたいと思ったのがきっかけのため、ぜひDXにも関わって役立ちたい。
石角友愛さんの基調講演アーカイブ
2021年10月11日(月)「いまこそ知りたいDX戦略 ~DXで未来を拓こう~」というタイトルで基調講演されている。参加できなかったがアーカイブを見てより理解が深まった。
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